新型肺炎
新型肺炎(SARS)を知った3月中旬から私は忙しくなった。まず海外から情報を集めて、新型肺炎を自分なりに医学的に解釈することからはじまった。自分の集積した知識をホームページで公開し始めた。市長を囲んで関係者と会議をもった。3月末のことだ。保健所内外から、日本で発生していないのに何を騒ぐ、と声も聞こえた。しかしこれは健康危機なのだ。医学的知識を持つ保健所長の義務なのだ。私は自分に言い聞かせた。
情報は受け取る側にその意識が無い限り伝わらない。厚生労働省やマスコミが4月に入ってから情報を発信しだすと、ようやく所内外でも反応が高まりだした。それでも国からの情報は少ない。WHO(世界保健機関)などのページを参考にして、市としての体制作りを考える日々が続いた。
一方、我が小樽市保健所では、4月から「小樽健康総合大学」を開校した。健康作りを意識した多くの中高年者が入学してきた。健康に対する危機意識が高い。これは保健所としての「健康推進事業」の一つである。
新型肺炎を防ぐための業務と中高年者の健康を推進する業務。どちらも重要な保健所業務である。健康増進法も5月から施行された。社会の裏方にも等しい保健所は、忙しい時代を迎えつつある。