冬のソナタ
          
 韓国ドラマである「冬のソナタ」。現在の日本では忘れ去られた「初恋」。このドラマの本質は、「夢」に対する人の強い情念なのであって、単なる恋愛ドラマではない。虜になっている中高年の女性にとって、「初恋」は忘れてしまった「心のときめき」だ。青春時代、気軽に男の子と会話を交わし、連れだって自由に出歩くことが出来はじめた世代だ。「憧れ」の男の子とフォークダンスで手をつなぐことで心のときめきを覚え、生の輝きを覚えた世代でもある。
 「憧れ」の対象に夢を抱いたのは、男性の方も同じはずだが、年を経るに従い、かって抱いた「夢」の存在を忘れだし、生活の中で「夢」を抱くことの価値観すら失ってゆく。一方、家庭に入った女性の方は、その「夢」を心のどこかに大切にしまってきている。女性達にとって主人公のチュンサンは青春時代の「憧れ」のシンボルでもあり、ドラマはその「憧れ」への旅の再出発となっている。ほんのつかぬま、忘れていた純粋なものに向かう旅の時間帯を取り戻すのだ。ヒロインのユジンは、僕にとっても青春時代の「夢」の化身で、いまだ果たせない「夢」を追い続ける自分の心の中に深く入りこんでくる。日曜作家でもある僕は、そのストーリーに強く惹きつけられる。